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緻密質炭素めっき膜の物性

耐食性と導電性を兼ね備えた炭素めっき膜

<耐食性>
この緻密質炭素めっき膜は耐食性が非常に高く、例えば腐食液(塩化第二鉄液)を滴下しても全く変化は見られません。また、アノード分極測定による電気化学的な耐食性試験を行った結果、本炭素めっき膜の耐食性は、ステンレス表面上で形成される酸化皮膜の耐食性を上回っていることが分かりました。

図 炭素膜の腐食試験の一例(塩化第二鉄試験、基材はSUS304)

耐食試験2

図 アノード分極測定による耐食性の検討(基材:SUS304)。
0.5 mol/L 硫酸水溶液、室温。縦軸の電流密度は、上半分が酸化電
流、下半分が還元電流。

 

<導電性>
本炭素めっき膜の接触抵抗の値は、炭素めっきを施していない基材(ステンレス)と比較して一桁以上小さい値を示しています。さらに、腐食試験後でも接触抵抗の値に目立った変化は見られず、腐食環境におかれても高い導電性(低い接触抵抗)を保っていることが示されました。

図 接触抵抗試験方法




<密着性>
テープ試験において、炭素めっき膜の剥離は全く見られず、また、スクラッチ試験においては、完全剥離荷重が約30Nとなり、従来法であるPVD法で得られた炭素膜(5~10N、DLC、膜厚:1μm程度、基板:ハイス鋼、中間層なし)と比較して、高い密着性を有していることが確認されました。

図 テープ試験による密着性の評価

図 スクラッチ試験による密着性の評価

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