RESEARCH CONTENTS研究内容

溶融塩電解技術を礎とした
アイ'エムセップ独自の研究

RESEARCH CONTENTS二酸化炭素の資源化

「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」という目標のもと、私たちは「CO2」の排出量を可能な限り削減し、排出されたCO2を捕集して環境への負荷を最小限に抑えながら貯留・管理するという消極的な観点ではなく、積極的に資源として活用する方策を模索する必要があるという社会的要請が高まっています。アイ’エムセップ株式会社では、「炭素が主要な役割を果たす社会」の実現を目指し、これを可能にする革新的な技術の開発と社会への実装を進めています。この技術の基礎となる反応は以下の通りです。

溶融塩化物中に炭酸カリウムを溶解させて電解を行うと、陰極表面に炭素膜が形成されます。

陰極反応:CO32– + 4e → C + 3 O2–

この時、
電解浴中に二酸化炭素を吹き込むと、O2-イオンの一部が

CO2(g) + O2– → CO32–

の反応でCO32–となり、これは再び陰極で炭素にまで還元されます。この反応に必要なO2-イオン以外の、余ったO2-イオンは、

陽極反応:2O2– → O2↑+ 4e

の反応で酸素ガスになり、陽極で回収されます。

結局、全体の反応は以下のようになります。

全反応:CO2 → C + O2

陰極で生成される炭素は、電解条件を調整することで、さまざまな形状、形態、構造を得ることが可能です。実験によって、滑らかで密着性の高い炭素めっき膜の形成も確認されています。

このシステムが実現すれば、例えば火力発電所や工場から排出されたCO2を溶融塩に吸収させて炭酸イオンに変換し、再生可能エネルギーを用いて溶融塩中で電解することで、高機能性炭素材料に変換したり、固体炭素燃料として固定化することが可能になります。その後、得られた炭素は、電気化学的エネルギー変換デバイスの部材や燃料電池(ダイレクトカーボン燃料電池やCO2電解・燃料電池一体型装置)の燃料として効果的に活用することができます。また、金属製錬において還元剤としても利用することが考えられます。

アイ’エムセップ株式会社では、この技術を「CO2の資源化とリサイクルシステム」の実現に貢献できる重要なテクノロジーと位置づけ、開発研究を進めています。具体的な例として、この方法で得られた機能性炭素を電気自動車(EV)の車載用二次電池の性能向上に応用するプロジェクトをSECカーボン株式会社と共同で立ち上げ、事業化と社会実装に向けたロードマップを進めています。

RESEARCH CONTENTS炭素めっき

アイ’エムセップ株式会社では、溶融塩を電解浴として使用することにより、「炭素の電解めっき」を実現しました。この革新的な技術は、水溶液系では実現困難だった炭素めっきを可能にしました。この技術は、既に広く普及している水溶液系の電解めっきと同じく、電気化学反応を基にしています。

具体的には、溶融塩中に含まれるカーバイドイオン(C22–)を炭素源とし、金属基板を陽極として処理することで、C22–が酸化されて金属基板表面に炭素めっき膜が形成されます。この革新技術は、将来の電気自動車(EV)や5G時代の要求に応えるためのエネルギー変換電気化学デバイスの性能向上に貢献することができます。また、ボルト、ナット、ねじなどの締結部材の耐食性向上にも寄与することが可能です。さらに、伝熱・放熱用部材への応用や、各種電気分解用の電極やバイオセンサーへの適用も期待されています。

この技術はまさに、社会が「SDGs」を掲げ、カーボンニュートラルでクリーンな新時代に向かうために重要な技術と位置づけられます。

RESEARCH CONTENTSアンモニア電解合成

増加し続ける人類の生命と生活を維持するためには、食糧の増産が不可欠です。そのためには、アンモニアという窒素肥料の確保が必要です。同時に、水素は環境やエネルギー問題の解決において重要な役割を果たす貯蔵材料や輸送媒体、窒素酸化物の還元剤としても期待されています。しかし、現在のアンモニアの製造方法は、100年以上の歴史を持つハーバー・ボッシュ法に頼っています。

現行のハーバー・ボッシュ法では、天然ガスを水素の原料として使用するため、地球温暖化ガスの代表的な例である二酸化炭素(CO2)の排出が避けられません。そのため、アンモニアの増産とCO2の削減は、相反する課題となっています。しかし、以下に述べる「常圧アンモニア電解合成法」の社会実装により、この課題は容易に解決できます。

アイ’エムセップ株式会社では、溶融塩を電解浴に使用することで、「常圧アンモニア電解合成法」を提案し、実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。以下に(1)と(2)の方式を示します。

(1)水素と窒素からの常圧アンモニア電解合成
反応式:1/2 N2 (g) + 3/2 H2 (g) → NH3 (g)
(理論電解電圧0.05 V)

(2)水と窒素からの直接常圧アンモニア電解合成
反応式:1/2 N2 + 3/2 H2O → NH3 + 3/4 O2
(理論電解電圧1.17 V)

上記(1)、(2)の何れの方式についてもその可能性は実証されております。例えばアイ’エムセップ株式会社では、方式(2)を進行させるプロトタイプの電解システムセルによる連続電解を行ない、端子電圧2.0Vでの連続電解が可能であるとの見通しを得ております。さらに現在は、(1)、(2)両方式の特徴を組み合わせることで端子電圧1.5Vでの電解が可能になる「発展形電解装置」を提案し、その実用化を目標に研究開発を推進しております。

RESEARCH CONTENTSリサイクル

例えば廃磁石から希少な希土類元素だけを抽出・分離回収する。従来技術では分離困難な元素でも、溶融塩中であれば選択的に分離回収することが可能です。
高融点・高硬度金属や貴金属、希土類金属など希少金属の幅広い有効利用が可能になります。

H23 京都市 京の環境みらい創生事業採択

RESEARCH CONTENTS電解製錬

アルミニウム、マグネシウム、希土類金属などの生産において、現在も脈々と受け継がれる溶融塩電解による金属製錬技術。当社では、小規模電解試験を通じた材料開発や電解槽構造改良の提案など、金属製錬技術の持続的発展を支援します。

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